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ビザとForm I-94(滞在許可)の違いについて:滞在許可期間に関する適切な記録を管理しましょう!

by | Feb 26, 2025 | Articles

ハワイ州弁護士 栗原幸花

February 26, 2025

トランプ政権により、今後も移民政策の厳格化が予想されています。ビザを保持して米国に一時的に滞在されている非移民外国人(Non-immigrant aliens)は、ご自身の滞在許可期間についてよく理解され、適切な記録や情報を管理するべきでしょう。そうすることにより、うっかり滞在許可期間を過ぎ、オーバーステイになってしまうリスクを防ぐことができます。 

まず、よく誤解が生じるビザとForm I-94 の違いについてですが、ビザの有効期限が必ずしも、米国に滞在できる期間であるとは限りませんので、この点の理解を深めることは重要です。 

Visa or Visa Stamp (ビザ、ビザスタンプ):

ビザ、ビザスタンプとは、アメリカ合衆国国務省が発行し、個人のパスポートに押印される書類となります。これにより、特定の期間特定の目的で米国に入国することができます。例えば、米国で休暇を過ごしたい外国人は、B-1/B-2観光ビザが必要となります。また、米国の企業で仕事をしたい外国人は、米国で一時的に働くためにE-2、L-1、H1-Bビザ等が必要となります。 
ビザを保持していることは、必ずしも米国への入国が保証されたことにはなりませんが、ビザが発行されたということは、米国大使館や領事館が、申請者に特定の目的のために渡米できる資格があることを精査したことを示します。ただし、ビザの有効期限は、米国で許可される滞在期間を示すものではないので、その点注意が必要となります。滞在許可期間は、下記のForm I-94 によって示されます。 

Form I-94:

 Form I-94は、非市民非移民外国人の米国出入国の記録を追跡するものとなります。以前は、この書類は紙で発行されておりましたが、現在は、電子で発行されております。また、米国への合法的な入国を証明し、個人の現在の移民ステータスを証明するためにも使用されます。
Form I-94は、以下のリンクより必要情報(パスポートに記載されているお名前生年月日、国籍、パスポート番号)を入力し、ご確認いただけます。
https://i94.cbp.dhs.gov/search/recent-search
実際、間違って記録されていることもありますので、米国に入国する際には毎回確認されることをお勧めいたしますもし間違った記録があれば、近くのCBP(税関・国境取締局に連絡をして記録を訂正する必要がございます 

これ以外に、既に米国に滞在されている方が、非移民ステータスを変更したり、滞在許可期間を延長するために、移民局にてそれらの手続きを行うことがあります。その場合は、USCIS(米国移民局)より、Form I-797 Notice というものが発行されます。 

I-797 A notice of action:

I-797 A notice of actionは、移民局に提出された移民案件の受領または承認を伝えるために、移民局より申請者請願者に送付される通知書となりますこの通知書は、Form I-94の代わりとして申請者に発行されます。
移民局での手続き申請が承認された場合に、Form I-797A というオフィシャルな承認通知書が発行され、そこに承認通知の有効期限(つまり、新しい滞在許可期間)が記載されます。承認通知書の1ページ目の下部にそれらの情報が記載されますので、申請者は下線部を切り離し、パスポートと一緒に保管する必要があります。承認通知書の下部に記載されている滞在期間に関しては、承認通知の有効期限に10日間のグレースピリオドが設けられていることがあり、その期間に関しては米国での滞在は認められるものの就労はできない期間となります。これらの期間に関しては、不法就労とみなされないためにも、ご担当の移民弁護士とよく確認をされることをお勧めします。 

以上、これらの文書や記録の違いや目的を理解し、米国での合法的な滞在を維持できるようご注意ください。 

February 2025

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